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【タクシーニュース】関西では初のシェア乗りタクシー誕生

【タクシーニュース】関西では初のシェア乗りタクシー誕生
カケル
カケル
この記事を書いた人:『転職道.com』の転職相談スタッフ・『タクシーハローワーク(TSJ)』では職業紹介管理者として勤務♪東京特別区地理試験・法令試験取得者/二種免許保持。タクシー求人コンサルタント歴7年目。数々のタクシー企業担当者との取材や求職者との会話で最新の情報を記事化しています。さらに自らも地理試験・法令試験・二種免許を保持し都内タクシードライバーとして勤務もしているまさに『二刀流』です。史上最速の平日&週末の両日連続で営収10万円を4度達成!

タクシーを乗務していて、乗り場や流しもしくはアプリ配車などでお客様が乗車された直後に、また別のお客様が「相乗りで乗車される」…そんなサービスはタクシー運転手からしてみたら面白いかもしれませんが、お客様目線で考えますと好き嫌いがはっきりと分かれるサービスになる事は間違いないでしょう。

そんな相乗りサービス、実は国内でこっそりサービスが実施されているのをご存じでしょうか?
今までは東京都内限定でしたが、今回は西の都に初上陸です。

【タクシーニュース】関西では初のシェア乗りタクシー誕生

大阪タクシー営業区域の『北摂交通圏』を乗車し、梅田を中心とする半径約50kmに降車地域を拡大中の関西エリアで展開している『シェア乗りタクシー』のサービスをリニューアルし、シェア乗りタクシーが2024年9月10より運行を開始しました。

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関西方面でシェア乗り(相乗りタクシー)のサービスは初となり、早く安くを求める関西気質にマッチするか注目となっています。

日本交通グループ関西とNearMeが展開

今回のサービスは、タクシー業界最大手の日本交通の「日本交通グループ関西(日本交通関西本部株式会社)」と、タクシー相乗りアプリ「NearMe」を運営する株式会社NearMe(ニアミー)の2社が現在関西エリアで展開しているサービス『シェア乗りタクシー』をリニューアルする形でスタートさせました。

日本交通グループ関西でも、インバウンドのみならずこの先需要の増加が見込まれる『大阪・関西万博』を見越してのサービス展開も狙いの一つと考えているようです。

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日本交通グループ関西(日本交通関西本部株式会社)の金田隆司代表も『来年2025年に開催される万国博覧会を機運とし様々に投資が行われ、人や物の流れが活発化している。人流が活発になる中で移動手段を必要とされるにあたり、タクシーそのものの稼働車両数を増やす以外にも、複数のお客様で1台の車両をご利用頂く『シェア乗り』が有効手段の1つのアイディアと捉え、昨年12月から今年3月までの実証実験に臨んだ。この度は来年の万博を視野に入れ、もう一歩踏み込んでいく。』とコメントしました。

日本交通グループ関西が『シェア乗り』を機に、多くの方々にタクシー利用を推進していく心構えが見えますね。

運航エリア詳細

この度の関西地区における『シェア乗りタクシー』の運行エリアは以下になります。

■乗車エリア➡大阪府(北摂交通圏:池田市、高槻市、茨木市、箕面市、摂津市、島本町)

■降車エリア:乗車地から半径約50km範囲目処
・大阪府①【北摂交通圏:池田市、高槻市、茨木市、箕面市、摂津市、島本町】
・大阪府②【大阪市交通圏:吹田市、豊中市、門真市、東大阪市、八尾市、堺市、守口市】
・兵庫県【神戸市・芦屋市・尼崎市・西宮市・伊丹市・宝塚市】
・京都府【京都市以南】

カケル
カケル
乗車エリアは北摂交通圏に限られますが、降車エリアはかなり広いエリアで設定されていることがわかりますね。

昨年都内で実証実験済だったNearMe

NearMeは昨年2023年12月から2024年3月までの約4カ月間、都内において実証実験を実施しており、この度関西方面でも実施する運びとなりました。

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それ以前も、2023年4月25日から同年6月25日までの2ヶ月間、東芝インフラシステムズ株式会社と、東京地下鉄株式会社(東京メトロ)との共同で国土交通省推進事業「MaaS(サービスとしての移動)」の実証実験を行い、様々な角度から入念な準備をを行っていたのです。

今年は6月25日より東京特別区において日の丸交通との『シェア乗りタクシー』サービスを運行開始しております。

利用時間の拡大

それまで大阪エリアで展開する『シェア乗りタクシー』は、深夜早朝の時間帯に限定していました。
しかし今後は運行時間を早朝6時から翌日午前3時まで大幅に拡大となります。

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利用可能エリアも従来のANAクラウンプラザホテル大阪のみでしたが大幅に拡大しました。
混雑を避ける通勤・通学などの利用を見据えて大阪府茨木市や高槻市などの「北摂エリア」から乗車し半径50kmの範囲で移動が可能になりました。

シェア乗りの意外なメリットもある

タクシー運転手そしてタクシー事業者側目線で考えると「シェア乗り」は結構な打撃なのではと…思ってしまいがちですが、意外にもメリットがあるのです。

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この『シェア乗りタクシー』によって複数の人がタクシーに乗車することにより、「私はここで降ります」「自分はもう少し先に行きます」「俺は最後、隣町で降ろしてください」など…1回あたりの乗車における運行距離が長くなるのです。
これにより生産性向上へとつながることが期待されています。

カケル
カケル
そういえば夜中、『知り合い同士で複数名乗車』された場合でも同様のケースは発生する事、よくありませんか?

タクシー運営目線で捉えると…確かに『シェア乗りタクシー』は視点を変えると売上向上に上がりますよね。

お客様には大きなメリット

『シェア乗りタクシー』はお客様の利用目線では大きなメリットがあります。

シェア乗りが成立した場合、なんと通常のタクシー運賃の最大50%の金額で乗車することができます。
これはシェア乗りの人数により変動するもので、通常のタクシー料金より最大で50%の料金でご利用いただくことができるという意味なのです。

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決済方法は事前のオンライン決済のみ対応しており、タクシー運賃はNearMeのアプリ上でお客様が乗車された場所から目的地までのタクシーが走行予定のルートと距離、そしてシェア乗りの有無に応じて乗車予定時間10分前までに確定します。

※またシェア乗りが不成立を理由に運行自体がキャンセルになることはありませんのでご安心ください。

各地域で異なる交通移動のニーズに応えるために

現在地方都市においてはタクシー乗務員の人手不足が深刻な課題として挙がっており、各地域において「交通移動そのものの課題」はタクシー業界では問題の渦となっています。
その一方で、現在東京都内や大阪都市部などの大都市圏は、空車のタクシーが時間帯によってつかまらない状態が多く報告されています。
また、タクシー営業は交通渋滞を誘発する一因ともされているのも現状です。

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こういった状況からこの度の『シェア乗りタクシー』のサービスはスタートしました。
地域で異なる移動ニーズに対応すべく、今後も運行エリアの拡大などを見据えながらサービスを展開していく予定です。

シェア乗り専門アプリ『NearMe』

NearMeは2017年7月に設立のソーシャルデザインカンパニーです。

移動の課題に積極的に取り組み、独自のAIを活用した最適なルーティングを用いて翌年2018年の6月に出発地から目的地までの移動をドアツードアで結ぶタクシーのシェアサービスアプリ「NearMe」のサービスを開始しました。

『みんなのドアツードア…人のために、地球のために。移動をシェアする、これからの選択肢。』をモットーに、テクノロジーを駆使してNearMeでは、移動手段のあらゆる場面での“もったいない”を解決。
サスティナブルで活き活きとした未来を目指しています。

 

移動課題へ打ち手の1つ

国内ではタクシーも含め、移動課題は山積みです。

しかし『シェア乗りサービス』という試金石は今後大きく発展していく可能性を秘めています。

「東京に続き、大阪エリアにおいても『シェア乗りタクシー』の展開が実現できたことを大変うれしく思う。現在人材が不足しているタクシー業界においては、ニアミーのエアポートシャトルを代表として展開している『シェア乗りサービス』のような「質」の観点からのアプローチであるライドプーリングは最適な手法であると考えいる。これからも日々の生活シーンにおける移動課題へ打ち手の1つとして『シェア乗りタクシー』が有効であることを発信し、より多くの生活者の方々に日々の移動の選択肢として“シェア乗り”があること、そして実際に『シェア乗りタクシー』を利用していただくことを目指していく。(一部省略)」
【株式会社NearMe(ニアミー) 髙原幸一郎代表】

今後も様々な実証実験がこれからも続くことでしょう。
そしてそこから得たものが時間をかけて新しい時代の移動サービスへと繋がっていくのではないでしょうか。

これから~Opinion~

国内のタクシー移動サービスにおいて「シェア乗り(相乗り)」が定着するのは正直申しまして『至難の業』です。
国民性やタクシーが培ってきた常識に触手を伸ばし、場合によっては壊していく作業をしているのですから。

しかしNearMeはそれらの挑戦に対して非常に丁寧に進めている印象を持ちます。
揺るぎないモットーを掲げ、幾度となく実証実験を重ね、失敗を繰り返しては成功も手にしたでしょう。
その成功がたとえ小さくても、この先大きなものに変化しそれが『移動の「もったいない」を解決』する日が来る…この会社に関してはそのような期待が湧きます。

実際にタクシー営業をしていても、シェア乗りが出来そうな瞬間は刹那的に訪れることがあります。
たとえばお客様が、タクシーを長時間待っていてようやく乗れた時、後ろにいたお客様が同じ方面だった可能性もあり、たまにですがお客様が「お近くでしたら途中まで乗られます?」と声をかけるシーンを時たま遭遇することがあります。
そしてタクシー運転手目線としても筆者は時折、「あの人とさっき後ろにいた人…方向一緒なら乗せてあげても良かったかもな」と考えることがあるのです。これこそがNearMeの目指す地域活性化へ貢献の一部な気もします。

タクシーの仕事は社会的貢献度が高い仕事ですので尚更であります。
今後の『シェア乗りタクシー』に期待しますし、この度タッグを組まれた日本交通グループ関西には敬意を表したいと思います。

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