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タクシー豆知識⑬あなたは知ってる?違法な『白タク行為』とは
あ!キ◯タク!…じゃなくて白タクです。
突然ですが、白タクという言葉を聞いた事はありますか?
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白いタクシーの略…う〜ん惜しい!
間違ってはいないのですが、おそらく全く白タクという言葉を聞いた事がない方は、『白いタクシーの事じゃないの?』と驚いたかもしれません。
白いボディのタクシーなんていっぱい走ってるじゃない?何故違法なの?
いえいえ、白いのはそこじゃないんです。
白は白でも、行為は黒いのです!
『白タク』=白ナンバーのタクシー行為
白タクとは、白ナンバーの車両で金銭の授受を行って運送行為を行う車両です。
つまり無許可で勝手にタクシー行為をすることを言います。
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通常タクシーを営業するにはタクシー事業者或いは個人タクシーで、何れも地域の運輸局から許可を得た事業者、組合等に所属している緑ナンバーのタクシー車両でないと行けません。
未だ横行する『白タク問題』
白タク問題は、タクシー適正化事業を推進する各地域のタクシーセンターや運輸局、警察等によって厳しく取り締まりがされております。
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その関係で昨今ではほとんど白タクは見かけなくなりました…と思っていたのですが、インバウンド需要の増加による影響か、明らかに白タク行為をしているワンボックス車両が彼方此方に点在しており、大勢の訪日観光客らしき方を乗車させているのです。
空港やホテル周辺では取り締まり強化
現在白タク行為はテレビのニュースなどでも大々的に報じられ、悪事が暴かれています。
特に取り締まりを強化しているのが空港です。
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空港は訪日外国人が母国で予約した旅行サイトで何も知らずに白タクを予約していたケースも多く、明らかに怪しい車両の運転手へは運転免許証の提示を求めたり職務質問をしているのが見受けられます。
また訪日外国人観光客が訪れる大小のホテル周辺を含め、相変わらず六本木や銀座周辺にも規制が厳しいのにかかわらず未だ以てして実施している姿があるようです…。
【事例】海外のケースもいつか日本も…
以前筆者がバリ島に行った際、空港出口がとんでもない歓迎ムードで凄いと感心していたのも刹那、実は全員運転手(恐らく白タク)で『俺の車乗ってくれ』と猛アピールしていただけだったという体験があります。
これは白タク行為が万一このまま日本でも横行し出してしまった場合、日本でも同様のことが発生しタクシー運転手の仕事が取られてしまう事にもなりかねません。
また白タクの場合値段も設定されていないため、非常にリスクが高いのです。
運転代行業者が白タク行為で運行するケースも
地方都市では比較的メジャーな運転代行は飲食店などで車を運転して来店後、お酒を飲んだお客様を乗せて運転を代行するお仕事です。
もちろんその他にも病気で運転が出来なくなった方というケースもあります。
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業務は2人1組で車(随伴車)1台を用いて行われ、顧客車を運転する場合は二種免許が必要となります。
この運転代行業者の白タク行為も一部で横行し問題となっているのをご存知でしょうか?
運転代行業者の白タクは「AB間輸送」と呼ばれ、利用されるお客様の車までお客様本人を随伴車に乗せて運ぶ行為です。
これは道路運送法第4条及び第80条の違反となり、3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科せられるのです。
不自然な教習所の混雑
海外からの一定の国の方を名指しする事は控えますが、以前に比べて明らかに不自然なほど教習所では二種免許取得の入校者が増加しているという現場の声を聞きます。。
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やはりインバウンド需要への対応と言いたいところですが、求人業界を見渡してもそこまで外国人採用に爆発的増加は見られない点から、白タク行為のために取得しているのではという声もあります。
白ナンバーで営業可能なケース
白タクは確かに違法な行為です。
しかし白ナンバーだからといって全ての車両が人を乗せて仕事をしてはいけないかと言いますと、実はそういう訳ではないのです。
ここでは白ナンバーでも営業可能なケースをご紹介します。
日本版ライドシェア
世界的に流行しているライドシェアは、自家用車でお客様を乗車させる事が出来るサービスです。
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場合によっては相乗りも可能で、運賃形態も自由設定である事から世界ではタクシーを脅かす存在となっております。
日本国内でも10年以上前から断固反対の運動がハイヤー・タクシー業界で盛んに行われていましたが、政治家の思惑や複雑な事情もあって振り回されて来た結果、令和6年4月に日本独自のルールを用いてライドシェアはスタートしました。
二種免許不要で営業可能に
白ナンバーで人を乗せることが可能に…つまりそれは『二種免許不要で営業が可能なサービス』なのです。
このライドシェアによって日本で初めて登場しました。
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しかし日本国内ではあくまでライドシェアはタクシー事業者が主導であること、そしてアプリ配車専門で料金もタクシーと同等であること、車種は一定の条件を満たした上で自家用車が利用可能もしくはタクシー事業者が用意する専用車両で営業となります。
企業専属ドライバー
タクシー以外の緑ナンバーで営業する普通二種免許の仕事にハイヤー運転手という仕事があります。
ハイヤーは完全予約制で著名人や重役などエグゼクティブな乗り物として名高いのですが、白ナンバーでもハイヤー同等の仕事をこなす業務があります。それが企業専属ドライバーです。
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例えば企業の役員などの専属で運転手として仕えている場合や、病院の先生、院長のお抱え運転手として務めるような場合も。
大手タクシー事業者で企業専属ドライバー部門が存在するケースもあるのですが、中には現役タクシー・ハイヤー運転手時代に可愛がられた顧客からスカウトされてそのまま専属運転手になったという経緯も、この世界には比較的あるあるなのです。
あの世界的有名歌手の奥様から指名を受けていたほど。
その他諸々は守秘義務はあるそうですが、やはり現役時代の顧客に気に入られて現在もずっととある病院の院長先生の専属運転手をしています。
一期一会の仕事とはいえど、運転手をしているとこういう出会いもあるから不思議ですよね。
友人・家族の送迎なら何ら問題なし
白タク=白ナンバーで人を乗せて営業…やってはいけない!しかしここで疑問が生じます。
それは『自分の友人・家族は乗せて違法になるのか?』というものです。
実はこれらの送迎は自家用車で行うものですので、何ら問題はありません。
プライベートの範疇(はんちゅう)ということです
ただ、白タク行為をしている連中は大体が検挙されたり職務質問をされると上述のような言い訳をするため、正直なところお客様と口裏合わせをしていたりするケースもあり線引きが難しいのも事実なのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
白タク行為は実を言うと最近に始まったことではなく、かなり昔から横行している悪しき問題なのです。
タクシー業界としても頭を悩ますところでもあり、また撲滅に向けて日々巡回を行っております。
テレビのニュースでも日本版ライドシェアが開始となり白タク問題を取り上げる機会も出てきた中、改めて認知度をあげて違法である事を国内外にアピールしていく必要性があると言えましょう。