車の自動運転化が進み、タクシーも自動運転の波が日々押し寄せています。
世界中のタクシー運転手が『我々の仕事が奪われるのは時間の問題だ…』と戦々恐々する中、日本のお隣中国では、無人タクシーの波が急加速しているようです。
見出し
タクシーニュース/中国で急加速する「無人タクシー」武漢で400台超!
中国では現在、無人の自動運転タクシーの導入が急加速で進行しています。かねてから国内大手企業『百度(バイドゥ)』を中心として各都市で導入を進めていましたが、その中でも現在、注目を集めているのが湖北省武漢市です。
ここでは安全監視員が乗車しない完全に無人タクシーが400台以上運行し、1台当たり1日20回以上の配車サービスを提供しているとのことです。
また、『百度(バイドゥ)』では来年度の武漢市内のタクシー営業収支は黒字化すると見込んでおり、今後も無人タクシーをさらに増やすとのことです。
今年4月中旬までに総走行距離は1億キロを突破。
600万回のサービスを提供しました。
利用方法とは?
それではこの無人タクシーの利用方法とは如何なるものなのでしょうか?
タクシー運転手もいない、ライドシェアドライバーもいない、完全無人の自動運転です。
ちょっと日本では想像がつかないですよね。。
配車アプリで迎車
無人タクシーを呼ぶ際はなんて事はありません。
通常の配車と同じく専用のアプリを用いて行います。
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また迎車後、真夏でもしっかりと車内は冷房は効いているのと、目的地までの経路や交通状況が一目で確認できるモニターが設置されているため、利便性は非常に良いと言えましょう。
ちなみにシートベルトとしないと出発しないという話も出ています。
それが意図的で本当ならば、安全性の担保という面で…良しとしましょう。
スムーズな運転
自動運転タクシー、しかも無人…やはり問題は運転です。何せ安全面が最重視されるのですから。
で、その運転ですが「LiDAR(ライダー)」というセンサー技術を搭載し、周囲の状況をカメラで掌握しています。
そのため交差点などではしっかりと歩行者を感知しスムーズに停車が可能となりました。
さらに特筆すべきは100km近いスピードで走行する事も可能で、車線変更も難なくこなすとのことです。
あらゆる面でのコスパ
自動運転タクシーは初期投資こそかかりますが、無人であることで当然ながら人件費もかかりません。
また、バッテリー交換と車内掃除の自動化を実施しておりコスト削減を図っています。
また、注目のタクシー運賃は通常のタクシーと比べて4割ほど安いのも魅力です。
『事故例なし』と主張
自動運転無人タクシーは導入当初、安全面を不安視されていました。
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現在も懸念の声はあるものの、徐々にではありますが市民からの信頼を得ているようです。
また百度では「自動運転タクシーが原因となった事故はゼロだ」と主張しています…が実は1ヶ月前の7月に、武漢市の中心で自動運転無人タクシーと電動バイクが衝突する事故が起きています。
この時タクシーに乗客はいませんでしたが、電動バイクを運転していた男性が軽いけがを負っています。
当時の中国メディアによりますと…運営者の「百度(バイドゥ)」の主張として『電動バイクが赤信号を無視して直進してきた』と報じています。
規制や苦情も絶えない
利便性向上の裏には代償もついて回るものです。
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自動運転タクシーは無人走行ならではの規制や苦情案件も絶えません。
市中心部での利用制限も
武漢市内の自動運転無人タクシーは現在、市当局からの要請を受けて運行可能地域が縮小されました。
無人タクシー営業が不可なのは空港、駅、そして市中心部です。
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需要の非常に高い場所での規制がある理由には『自動運転無人タクシー独自の配車アプリでは乗降時の限定地域がある』、『タクシー運転手の稼ぎにも影響する』などが挙げられます。
渋滞の苦情
無人タクシーは特性上、交通法規を厳守するようにプログラミングされています。
そのため一時停車することも多いそうで…。
現在武漢市内では通勤時間帯に自動運転無人タクシーが原因で渋滞の原因になっていると苦情も出ている。
びっくりする事例が『近くに人が通るとフリーズする』という話もあるほど…。
自動運転無人タクシーの需要は急加速する一方、普及にはまだまだ課題もあります。
地元タクシー運転手の声
実際に地元武漢市内のタクシー運転手はどのような思いを持っているのでしょうか。
地元タクシー運転手の切実な声をまとめてみました。
『人間の運転に勝るものなしだ』
武漢市内のタクシー運転手たちは口々に『人間の運転に勝るものなしだ』と豪語していた一方で『時代の流れだ。技術の進歩は仕方がない…』とも語った。ました。
また、同時に『このままではタクシーの仕事が奪われる』と切実な危機感をにじませていました。
『収入が激減した』
しかし、自動運転による無人化と同等レベルで深刻な問題があります。
それが上述もお伝えした『4割ほど違う運賃の安さ』です。
武漢市内ではこの運賃の差に不満を募らせたタクシー運転手達が市当局に規制を求めて押し寄せる騒動も発生したほどです…。
これは一般のタクシーにとっては脅威以外の何者でもなく、現時点でも「収入が激減した」と言う声も起きています。
そもそもライドシェアでさえも運賃の多様化で料金が安価であったりと、各国のタクシー業界に相当なダメージを与えています。
自動運転無人タクシーもその点の懸念は拭いきれません…。
これから〜Opinion〜
日本国内でもいよいよ自動運転タクシー、しかも無人走行の時代が明日にでも訪れるのではないかと不安になるかと思います。
がしかし蓋を開けてみると、懐疑的な声も聞こえます。
『そもそも中国と日本では道路の広さも違う』
『反対があっても押し切って実行できるのがお国柄』
『実際に中国の方がはるかにIT面では日本より先に行ってるから仕方ない』
『おもてなし文化が根付いているから、たとえ自動運転で無人化になっても平気なんじゃない?』
など、巷の声だけでなく現場レベルでもまだそこまでの懸念材料とはなっていないようです。
そして事故事例が未だにゼロというのがすごいですね…。
勿論事故は起きてはならないものですが、米国の自動運転などではトラブルも発生していると聞く中でも、1と0の