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タクシーとゲリラ豪雨…突然の雨にお客様はどうする?
『上空に寒気が流れ込み大気が不安定となり、にわか雨や雷雨となる可能性があります』
気象予報士がテレビでこのように天気予報を伝えると、まさに堰を切ったように局地的に降り注ぐ超がつくほどの大雨…そう「ゲリラ豪雨」です。
雷と共にバケツをひっくり返したかの如く降り注ぐ雨は、公共交通機関に甚大な影響を及ぼします。
それはタクシーも同様で運転手だけでなくお客様双方にダメージを与えるといっても過言ではないでしょう。
タクシー需要は果たして…
タクシーは雨が降ると需要が高まる事は知られています。
しかしゲリラ豪雨のような局地的に激しい雨が降った場合はどのような影響があるのでしょう?
タクシー運転手を目指す方は、以前に雨が降った際タクシーに乗られた経験をお持ちでしたら思い出してみてください。
需要は確かに高い
ゲリラ豪雨となった場合、タクシーの需要は確かに高くなります。
おそらく「空車で暇」「お客様を探す」という行動からはオサラバ出来るのは間違いないでしょう。
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雨の日は皮肉にも至る所でタクシーの需要が高まるのです。
しかしながらイレギュラーにまるでスコールの如く降り注ぐこともしばしば…特にこれから秋にかけてはまた雨量が増しますので…。
ワンメーター(ちょい乗り)は多いが…
筆者もタクシー運転手にとって雨は恵みの雨…とよく言ってはいたものの、雨の日の特徴としてワンメーター(ちょい乗り)のお客様が多い事が挙げられます。
もちろんこれは大変ありがたい事なのですが、雨が降ってタクシー需要が増えたからと言ってロング(長距離顧客)が増える…という事ではないのです。
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ただし、ゲリラ豪雨レベルとなると少々話は変わってきます。もちろん最寄駅までの近距離もいうケースもありますが、雨に濡れたくないという気持ちが勝って少々ロングが出たりすることも珍しくはありません。
注意しなくてはいけない事
タクシー営業中にゲリラ豪雨!
この時タクシー運転手が注意しなくてはいけない事があります。
遵守しないと重大事故につながりますので気をつけて運転しましょう。
水没に注意
つい先日、1時間に約100ミリの猛烈な記録的大雨が東京都練馬区、板橋区付近に降りました。
局地的なゲリラ豪雨は瞬く間に浸水し、最悪の場合クルマを水没させることもあります。
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とりわけ地形に高低差のある場所ではタイヤが陥没してしまうこともあります。
そうなるとタクシーはもはや営業不可になりますので、常に走行時は先を見ながら運転することを心がけましょう。
アンダーパスは危険
都心も含めて、アンダーパスのある道路は多いと思います。
ゲリラ豪雨の際は特性上、冠水の危険性があることから真っ先に通行止めになります。
そうでなくてもアンダーパス…によく類似した場所や窪みのある陸橋下は多く存在します。
そのような場所は早期に冠水する危険性を孕んでいることもあり近づかない事が鉄則です。
速度を落として運転すること
タクシーはゲリラ豪雨の際、速度を落として運転しましょう。
そうでなくても雨天時の運転はタイヤと路面の間に水が入り込み、摩擦力が失われるハイドロプレーニング現象が発生します。
ゲリラ豪雨となればいよいよ水の量が減らなくなるため制御が厳しい状態になるため、通常の制限速度の半分程度で走行することをおすすめします。
ライトをつけて運転すること
ゲリラ豪雨などの記録的短時間での猛烈な雨は、走行時必ずライトをつけて運転しましょう。
概ね雷雨の際は暗めの空であることと、猛烈な雨により周囲が見えないレベルにまでなってしまうのです。
ハイビームが望ましいでしょう。
タクシーとゲリラ豪雨の関係
タクシーとゲリラ豪雨の関係性ですが、『タクシーがいるから雨が降るんだ』なんて頓珍漢な理由はありません…。
自然の摂理に対して、産業革命と公共交通機関の申し子であるタクシーに一体何の関係性があるのかと言いたいくらいです。
ですが、タクシーというのはこのゲリラ豪雨も含め荒天時にどうしても背負わなくてはならない『宿命』があるのです。
ほぼ帰宅時間を直撃する
ゲリラ豪雨の発生時期というのは概ね午後〜夕方頃です。
筆者は気象予報士の資格を持っていませんのであまり確証的な事は控えますが、夏場は午後になると上空に換気が流れ込み大気の状態が不安定になる事が多くあります。
そうすると…積乱雲、雷雲が発達してどこからともなく雷が鳴り出し、ヒンヤリした空気が吹いた刹那、バケツをひっくり返したかのような雨が降り出すのです。
それが概ね通勤通学の帰宅時間を直撃するのですから、たまったものではないですよね。
タクシーこそ『最適な移動手段』
タクシーはゲリラ豪雨や大雨などの際、濡れずに目的地まで移動ができる最適な手段と言えます。
また、例えば突然の雨で複数で乗車した場合を考えてみましょう。
傘を購入して鉄道を使って全員で移動するより、タクシーを利用した方が返って安上がりになることもありますよね。
『タクシーが来ない』理由
ここでお客様目線の話をひとつ。
皆さんの中にも『タクシーが来ない!』も切実な叫びとなってやり場のない怒りを生じた経験があるかも知れません。
雨の日って、タクシーが来ないですよね?
今までの内容を見てもう何となくその理由はお分かりだと思いますが、改めて理由をお話ししたいと思います。
駅付け需要が急速に高まる
人間『もうタクシー乗って帰ろう』と思う時はどんなシチュエーションでしょう?
それは疲れた時や、急いでいる時、荷物が多い時…そして今回のように天候不良の時であると思います。
やはりその心理が1番働きやすい場所は駅や施設にあるタクシー乗り場ではないでしょうか。
雨天時などは駅からそのままタクシーへ乗車するケースが発生するため、タクシー乗り場に多くの方が列をなします。
そのためタクシーは『駅付け』の需要が急速に高まるのです。
配車予約も殺到
雨が降れば、これからお出掛けのも『タクシーで移動すれば楽チン』と心理的に思うのはごく自然の流れとも思えます。
となれば…今度はタクシーに乗るための配車予約が殺到します。
電話予約(いわゆる無線配車)、アプリ配車は基本鳴り止まないでしょう。
途中で捕まる
タクシー営業中にゲリラ豪雨などで大雨に見舞われた場合、あるあるなのが道端でタクシーを拾うケースです。
つまり流しのタクシーに乗る形です。
仮にタクシー運転手が需要に応えるために乗り場や配車に備えたりとしていた最中でも、空車表示である以上、乗車拒否は出来ませんのでお乗せしましょう。
結果…各場所の需要に応えづらい
上記のように四方八方から配車の依頼や乗車の機会が発生することから各スポットでなかなかタクシーの需要が追いつかないという事態が発生します。
昨今ではこの雨量によって日本版ライドシェアをあてがう事になり、少しでも需要と供給のバランスを整えたいところです。
ライドシェアニュース/雨の日は拡充へ規制緩和拡大。タクシーの助け舟になるか。
しかし如何とも天候に関しては、爆発的にタクシー需要が高まるため、供給が追いつかないが現実です。
これはタクシー業界においては何十年も前からの課題ではあります…。
それだけでもかなり違いますよ!
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ゲリラ豪雨のタクシー需要と供給…なぜバランスが崩れてしまうかがお分かり頂けたと思います。
様々な対策、取り組みを行っていますが現時点の解決策は正直なところまだまだ前途多難な部分もあり厳しいのがタクシー業界の本音でもあるようです。
これ以上規制を緩和してタクシーを増やしても、晴れの日はどうするのかという問題に当然なりますし、日本版ライドシェアで雨天時の規制緩和が施行されはしましたが、微々たるものであると思います。。
ゲリラ豪雨自体が正味『自然災害レベル』でもあるという事、そうなるとタクシーはおろか一般乗用車ですら減速して走行しなくてはならなかったり迂回を余儀なくされる事があり、既にその時点で通常通りの営業ではなくなっているのですよね…。
もし運転中にゲリラ豪雨に見舞われたら必ず安全運転で走行しましょう。