特に頻繁に電車が行き交う首都圏の踏切は要注意です。
もちろん事故もそうですが、実車の際は時間帯によってなかなかのロスを生む事があるからです。
近年は私鉄の複々線化もあって踏切が原因の慢性的な渋滞は減りましたが、小さな踏切は未だに存在しますし、見る限りでは向こう20年では無くなる感じではありません。
※今回はほんの若干ですが、「まとめ」で一部表現が過激な部分があるかもしれませんが、故意ではありませんので「ネタ」と思って御覧くださいませ。あしからず…!
見出し
東京都内の開かずの踏切
それでは東京都内にあるアウターゾーン…失礼しました『開かずの踏切』へとご案内しましょう。
と言いましても全部を紹介したくてもしきれない数ですので、今回は筆者の体験を基に独断と偏見を含めた厳選5箇所をご紹介しますので、悪しからずご承知おきください。
小田急新宿1号踏切
小田急線新宿駅前の踏切で、甲州街道の交差点を抜けて新宿駅西口・南口へと繋がる道路でもあるため交通量は多めです。両方向一車線ながら幅が広く取られているのも特徴で、20世紀の終盤付近までは大変珍しい人力の手動踏切でした。
タクシードライバーあるある集【首都圏『新』が付く地名編/そっくり似た地名にご用心!】
小田急線の終着駅で最大の乗降客数を誇るターミナル駅ですので列車の往来も激しく、遮断時間がとても長い踏切です。
特に早朝は絶対に避ける事と、運転見合わせなどが発生した暁には正真正銘『開かずの踏切』になりますので、タクシーで新宿方面から原宿、渋谷方面に向かう際は大人しく明治通りから向かった方が良いでしょう…。
京急線品川第一踏切(八ツ山橋)
こちらもターミナル駅からすぐの所にある踏切です。
品川区ある京急線品川第一踏切は八ツ山橋に位置しており、品川駅から発着する京急線でごった返しになります。
大田区方面へ向かう場合は無理にこの踏切を渡って第一京浜へ出ようとせず旧海岸通りなどを経て走行した方が良いでしょう。
泉岳寺、札の辻方面も確かに踏切を渡れば早いのですが…早朝は迂回した方がベストだと思います。
青山街道踏切(JR新宿駅手前)
JR埼京線、湘南新宿ラインのJR新宿駅前に位置する踏切で、代々木駅と新宿タカシマヤを繋ぐ踏切でも有ります。
タクシードライバーあるある集【首都圏郊外編/そっくり似た地名にご用心!】
ここは車一台分しか走れない車幅と歩行者が行き交う道路で、タクシーもよく往来します。
ただし早朝や夕方は開かずの踏切としても有名なため、無理な直前横断も多く電車が遅延したりするのも開かない原因の一つとなっています…。
ですのでここはあまりタクシーで走らない方が無難です。
第一雲雀ヶ谷踏切と東3号踏切
踏切名こそ異なりますがJR埼京線(第一雲雀ヶ溪踏切)と東武東上線(東3号踏切)で場所は同じです。埼京線は池袋と板橋の間に位置しており、東武東上線は北池袋駅前の下板橋方面に位置しています。
タクシードライバーあるある集【東京都心編/そっくり似た地名にご用心!】
道路は狭いため、空車でのタクシー営業ではまず行く事は滅多にない場所だとは思いますが、配車や実車で通る可能性は充分にあります(余談ですが近隣にタクシー事業者はあります)。
また、埼京線・東武東上線ともに遅延が大変多い路線ですので…踏切が開かないと洒落になりません。。
電車の遅延はタクシー利用が見込まれるのでありがたいのですが、実車中タイミングでドツボにハマってしまうと厄介ですので気をつけましょう。
戸越公園1号〜4号踏切
『踏切を渡るために早起きしてるんです』
大真面目にこのような沿線住民の声が上がるほど早朝てんで開かない都内の踏切がこの東急大井町線の戸越公園駅付近にある4つの踏切です。特に駅前の踏切は1時間も閉まってる事もあり…いざ踏切が開くと通勤通学でごった返しの足が猛ダッシュ!
例えば早朝の通勤通学の時間帯に、駅前でお客様をタクシーから乗降させて空車のままだとして…ロスが1時間も出来てしまうのもかなりもったいないですよね。
タクシードライバーあるある集【実体験版】。それって職業病かも笑?Ver.1
それだけでなく通行人が一斉に猛ダッシュしてる中で営業したら下手すると思わぬ事故に巻き込まれる可能性だって有ります。。
早朝の駅周辺はナビに頼らず、怒られてもいいのでお客様に道を聞いた方が結果的には良いかもしれません。
踏切を除却するケースも
ここに文字を入力
小田急は90年代初めから複々線化事業を推し進め、ようやく最近になって登戸~代々木上原間の立体交差が完成しました。
京王線は踏切を除却
京王線といえば都内屈指である開かずの踏切が数多くあるスポットでした。
タクシー運転手の豆知識⑨タクシー運転手が公道で気をつける事(他の乗り物や人の接触に注意!)
種別も京王ライナー、特急、準特急、急行、快速、各停と多岐に渡っており調布までの間は早朝ラッシュは遅延が多く発生します。特に笹塚駅~仙川駅間の約7.2kmの区間を京王線では高架化と同時に、それまでの25箇所も存在した踏切の除却を進めています。
これに伴って側道の整備も行うので、過去に小田急線で行われた複々線化のように、周辺の渋滞緩和が期待されます。
▼京王によれば以下の駅は高架駅となります。
代田橋駅・※1明大前駅・※2下高井戸駅・桜上水駅・上北沢駅・芦花公園駅・千歳烏山駅
※1、※2…いずれも京王線のみ。
加えて近隣の方も踏切が開かない事に対して不満は多かった事もあり、整備に着手している事は歓迎の声が多いのも事実なのです。
西武新宿線は中井〜野方間を立体交差
西武新宿線は中井駅付近から野方駅付近までの約2.4kmの踏切を除却し道路との立体交差を目指します。
こちらは京王線とは違い、高架化ではなく地下化を進めています。
タクシーの営業方法のコツ②【お客様はどんな時に乗るの?】平日土日営収10万プレーヤーカケルが一部伝授!
2014年に着工を進めており、既に10年が経過。完成は2027年の予定ですのであと3年の辛抱といったところでしょう。。
大井町線も高架化へ着手
上述でお伝えした東急大井町線も、特に早朝に踏切が致命的に開かない『戸越公園駅』付近の高架化へ着手を検討する事になりました。
高架化の対象となるのは、戸越公園駅とその前後約0.9キロ区間で、立体交差で付近の踏切を除却することによって混雑の緩和を図る考えです。
こんなにある開かずの踏切
今回は筆者の独断と偏見によるベスト5をお送りしましたが、実はまだ東京はおろか日本国内にはおぞましい数の『開かずの踏切』があるのです。くわばらくわばら…。
国土交通省の「踏切道改良促進法に基づく法指定箇所一覧」によると、1位から5位までは以下のようになっており、まだまだ交通の妨げになっている場所は多いのがわかります。
1位 東京都:85ヶ所
2位 愛知県:69ヶ所
3位 神奈川県:55ヶ所
4位 兵庫県:52ヶ所
5位 埼玉県:45ヶ所
タクシー(車)で踏切渡る時は
教習所で習ったと思いますが、タクシーに限らず車で踏切を渡る際の注意事項覚えてますでしょうか?
一時停止…だけじゃないんです。
安全のためにおさらい
以下は『道路交通法第33条第1項』の内容でもあります。
踏切をタクシー(車)で通過しようとするときは踏切の直前で一時停止し、安全確認をした後でなければ進行はできません。
※道路標識などによる停止線が設けられている場合は停止線の直前で一時停止します。
また、信号機が設置してある踏切で青信号に従う場合は一時停止をせずに進行できますが、必ず安全確認は行う必要があるので注意です。また、窓を開けて踏切の警報機の確認もしましょう。
違反するとどうなる?
もし踏切を渡る際に道路交通法を遵守せずに走行してしまった場合はどうなるのでしょう?
「踏切不停止等違反」或いは「指定場所一時停止等違反」をすると、罰金の支払いと反則点数2点が科されます。
ちなみに点数は…過去2年以上無事故・無違反だったドライバーに限り、3点以下の軽微な反則点数は3ヶ月間で失効しますが、運転経歴証明書に違反歴として記録されますので気をつけましょう。
電車の走っていない終電以降の時間帯に踏切を横断する際でも一時停止を怠らないように!
例外で一時停止しなくて良い場所も
タクシーを運転していて踏切にぶつかれば必ず一時停止をします。
しかし、実は踏切でも一時停止をしなくてよいケースがあるのをご存知でしょうか?
若林踏切とは?
東京都世田谷区にある若林踏切は東急世田谷線の踏切です。
環七通りを突っ切る形で世田谷線の車両が行き交うのですが、ここの踏切…なぜかタクシーもクルマもバスもトラックも、一時停止していません。なぜでしょうか??
通常なら『開かずの踏切』のはずだが…
実は環七通りに限っては幹線道路で非常に交通量が多く、踏切の前で逐一全ての車両が一時停止すると怒涛の如く重大が発生してしまいます。
そのため世田谷線の電車と環七通りのクルマは、信号で制御することによって一時停止の必要性を無くしているのです。
つまり世田谷線の電車も「信号待ち」を行い、環七通りでクルマが往来している際は走行しないという形を取っているのです。
これで確かに早朝同じルールで踏切が鳴って居たらと考えると…環七通りはタクシー運転手からは相当な鬼門ストリートになっていたでしょうね。
どの車両も一時停止せず普通に走っているので「なんで?」と思い自分はスピード下げて一時停止しようとしてしまったのを覚えてます…。
今ですか?してませんよ!
まとめ
いかがでしたでしょうか?
踏切=カンカンカンカンとなり電車が通過する…そりゃ風情があって昭和感漂うノスタルジーな光景といえば聞こえは良いですが、タクシー営業にとっては正直なところ、早期に取っ払って欲しいですよね。
まさに現代のモビリティにとってはコヤツらは「鬼門」でしかありません。(失礼しました…)
思えば戦後の都市開発をはじめた頃に完成した鉄道路線は比較的踏切そのものを造成していない印象を持ちます。
そう考えますと都心の公共交通機関の整備は、意外と昔から変化のないままで沿線のインフラが発達してきたため、それらの進化が時代のニーズに追いついていない部分も徐々に浮き彫りになってきたように思えてなりません。
タクシーは多様なニーズに対応して、お客様の要望する場所へ迅速丁寧に送迎する運送業且つ接客業です。
これからも世の中への役割というものは絶大なものであるべきだと思います。
そしてタクシー運転手は踏切をうまく交わしながら乗務を頑張っていきましょう笑。