大阪のタクシー業界に変革の嵐が巻き起こっています。
人の集まるところにタクシーあり。
タクシーの集まるところに人あり。
これは私カケルの格言ですが(もじもじ…)、まさに大阪では来年2025年4月13日から10月13日までの6ヶ月間、まさに人が大どんでん返しとなるのです。それなんでんねんうどんはど〇でん、どんで〇てなんでんねんか…失礼しました笑。
早い話、世界中から皆さんぎょーさんやって来はるんです。もうウィーアーザワールドや!
見出し
新規参入タクシー事業者が登場
今年2024年に入り、大阪では新規参入するタクシー事業者が増えています。
それらは初めて耳にする新規企業もあれば、大阪では誰もが馴染みのある『あの企業』でもあります。
そんな新規参入事業者をご紹介しましょう。
二度見三度見はオーケー!但しソースの二度付けは禁止やで!
newmo
newmo(ニューモ)は今年2024年1月に設立した“スタートアップ企業”になります。
移動で地域をカラフルにをミッションに、利用者視点のサステナブルな地域交通の提供を目指しています。
代表取締役の青柳直樹氏はかつてあの『メルカリ』日本事業を統括していた人物で、昨年2023年12月にメルカリを退職し、newmoを設立しました。
現在は大阪を中心にタクシー・ライドシェアの準備を進めている段階であり、順調にいけば2024年秋に事業開始を予定しており、来年2025年度中には全国展開を予定しています。
タクシーニュース/新規参入ライドシェア事業者『newmo』が大阪万博へ向けドライバー募集を呼びかけ
また後程触れますが、大阪府内タクシー事業者のM&Aも積極的に実施しております。
早くも100億の資金調達
淘汰の激しい昨今のタクシー業界の中でも成長が著しく設立1ヶ月後の2月には約15億円の資金調達を実施しました。
さらにこの度newmoではスタートアップ企業向けのスケールアップ投資ラウンド7月シリーズAラウンドのファーストクローズで100億円超の資金調達を実施すると発表し、注目を集めています。
またそれだけではなく運行管理システムやドライバー・利用者向けアプリ・プロダクトの開発などを加速させたいとしています。タクシー・ライドシェア業界に新たな風が吹く事必至でしょう。
大阪メトロ
大阪メトロは大阪の方ならご存知、『地下鉄』の名称です。
この度「OMタクシー」として新規参入します。
2018年に当時の大阪市交通局を民営化し大阪市高速電気軌道株式会社として運営を開始しました。
(尚、設立そのものは大阪市による全額出資で前年度の2017年となっています。)
タクシーニュース/大阪メトロがタクシー会社を子会社化へ。業界初参入。
大阪メトロはメインの鉄道・バス事業のみならず駅ナカ・ekimo・コーワキングスペース(ON the UMEDAなどのリテール事業運営の他・不動産都市開発・賃貸住宅のMetrosa・住宅販売のMETRISE)など手広く事業を展開しております。
前身の大阪市交通局から庶民の足として支えている公共交通機関なだけに、タクシー事業がなかったのが不思議ですよね。
大手都市型MaaS構想「e METRO」を推進
大阪メトロでは現在、交通サービスと生活サービスを融合したサービスを提供する都市型MaaS構想「e METRO」を推進しています。
都市型MaaS構想「e METRO」は、タクシーを利用されるお客さま一人ひとりのニーズに合わせた交通手段を実現するとともに、多岐にわたるサービスを一堂にまとめて提供する事によって、QOLの向上に貢献していく取組みです。
大阪メトロでは「e METRO」の紹介文で『圧倒的に便利な交通を実現』と訴えています。
大手系を買収し一気にトップクラス事業者へ
上記のnewmoと大阪メトロは現在、大阪の大手タクシー事業者を相次いで買収しており新規タクシー事業を開始しております。
タクシー需要を考える②大阪・関西万博(EXPO2025)まであと2年!大阪のタクシーって?【2023/5/20】
まさに大阪・関西万博への機運が高まる浪速の地で今、大きなM&Aの波が起こっています。
ナショナルタクシー→大阪メトロ(OMタクシー)
大阪メトロは、業界最大手日本交通グループ関西の「ナショナルタクシー」の新設分割会社を買収しました。
2024年7月16日に大阪市鶴見区のナショナルタクシーの放出営業所を『OMタクシー』としてスタートさせます。
OMはもちろん「大阪メトロ」の略。新たな息吹を感じつつも以前からずっと走っているような…そんな定着感を目指します。
未来都→newmo
大阪市のタクシー事業者『未来都』は、この度newmoとのM&Aに合意する事になりました。
未来都は大阪で60年以上にわたり地域密着でタクシー事業を展開し、時にはユニークな発想でお客様に愛されてきた「大阪一おもろいタクシー事業者」です。
newmoと未来都ではタクシー業界の働き手不足やタクシーをはじめとする公共交通機関を介しての移動難民の課題が深刻化していく昨今、newmoが推進する『日本版ライドシェアへの参入』と『タクシー事業のDX推進』、『経営基盤強化』の想いが双方で一致した事により今回の買収が成立しました。
経営統合によってどんなカラーになるのでしょうか。未来都時代のユニークな発想でお客様から一層愛される公共交通機関として関西のタクシー業界に今後も君臨してほしいものです。
岸交タクシー→newmo
newmoは2024年の3月に大阪府岸和田市の岸和田交通グループの一社「岸交タクシー」のの経営権を取得しました。newmoのM&A第一弾は岸和田の地から始まることになります。
これによって現在のnewmoグループの保有タクシー車両数は未来都のM&Aを含めめ646台となり、大阪府内のタクシー事業者では5位の規模になります。
ライドシェアサービスも拡大
大阪では2024年5月に解禁となった日本版ライドシェア。
タクシーが不足しているエリアや時間帯でのサービスを提供し、タクシードライバーではなく一般ドライバーが自家用車もしくはタクシー事業者から車両を借りる形で運行するスタイルです。
タクシー次世代型アプリ『DiDi』が日本型ライドシェアを始動!
こちらのサービスも拡大の様相を呈していますが、それらは必然的にアプリ配車を手掛ける事業者との連携なしには成立しません。
現在ライドシェアの配車を行っている主な国内のアプリ配車事業者はnewmoをはじめDIDI、GO、Uber、S.RIDEです。
今後はライドシェアの規制緩和も
ライドシェアは現在、規制緩和に向けた動きが進んでいますが現場の対応やサービス状況の限界などで調整が難航しているのが現実です。
そんな中で2024年6月28日、国土交通省は日本版ライドシェアについて、一部規制緩和を行う事を発表しました。
その内容とは「雨が降っている日」に対応するべく一部地域において規制緩和するというものです。
タクシーニュース/ライドシェアの規制緩和拡大。雨の日は拡充へ
空飛ぶクルマの運航事業「Soracle」を JALと住友商事が共同で設立
数年前から話が出ていた空飛ぶクルマ…それは商用化となれば『空飛ぶタクシー』として実用化に至るのです。
2024年6月3日、JALでお馴染みの日本航空と住友商事は共同出資にて空飛ぶクルマ(eVTOL)を日本国内で運航する事業「株式会社Soracle(以下: Soracle)」の設立を発表しました。
空飛ぶクルマ(eVTOL)は電動垂直離着陸機とも呼ばれています。
Soracleは2025年大阪・関西万博をひとつのマイルストーンとして、関係者間で精力的に協議や実証実験を重ね、国の官民協議会の議論に資する具体的な提案を行う「空の移動革命社会実装大阪ラウンドテーブル」へ参画します。
空飛ぶタクシー実現へ向けた次世代エアモビリティの事業展開へ準備を進めています。
実現するのは数十年先の可能性が高いですし、実現したとてメジャーな公共交通機関にはまずならないでしょう。それこそ1〜2世紀先となれば話は別ですが…。
大阪・関西万博に向けて盛り上がりを見せる“浪速”
大規模な万博としては25年前に愛知県で開催された『愛・地球博』以来です。
しかしそもそも国内初、そしてアジア初で開催された前回の大阪万博以来となる55年振りの大阪開催のエキスポとあって経済効果は計り知れないものとなること必須です。
ただ前回は高度経済成長がシンボライズされた万博で訪日外国人すら物珍しかった時代。人類の進歩と調和は55年経った来年、目覚しい進化を遂げた日本の台所、浪速(なにわ)こと大阪でどのような形で開幕を迎えるのでしょうか。
そしてタクシー業界はこの流れにうまく乗れるでしょうか…!?
ただ当時のドキュメンタリーを見るといかにエポックメイキングなイベントであった事はもちろん、外国人観光客も珍しかったことでしょう(一般客なのにサインしてたそうです)。
インバウンド需要が高まっている昨今、日本のタクシーが活躍しイメージアップへの布石を作る絶好の機会ではないでしょうか。
万博後の大阪は?
散々今まで万博万歳的な内容でしたが、そもそも万博が終わった後の大阪を考えた事はありますか?
世紀の大イベントが終わったら祭りの後…もう景気もへったくれもあらしまへん。。。
いやいやちょっとお待ちください!もしかすると大阪はこの先バブルに突入するかもしれないのです。
万博会場はIRの舞台へ
大阪・関西万博終了後、会場の夢洲(ゆめしま)はなんと国内初のIRの舞台に生まれ変わります。
大阪府・大阪市が誘致を目指すカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の整備計画はまさに大阪・関西万博の会場となる夢洲が舞台です。
万博終了後にこのIR立地として入れ替わり、国際会議場や展示場、ホテル、レストラン、ショッピングモール、エンターテイメント施設、そしてカジノで構成される一群の施設となります。
ビジネス客やファミリー層など幅広い層が昼夜を問わず楽しめる魅力ある施設と質の高いサービスが提供されます。
大阪・関西の持続的な経済成長のカンフル剤として、その成長力と国際競争力を持続的に強化し、観光や地域経済の振興を促進・貢献していくものです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
現時点でも大阪のタクシー業界はコロナ禍前に比べても営業収入は大きくV字回復を達成しており、平均値を更新しています。これはコロナ規制解除や初乗り運賃値上げも絡んではいますが、アプリ配車の利用率増加とインバウンド需要拡大も因果関係として無視はできないでしょう。
ここにさらに来年は万博開催となり、跡地はIR展開とまさに今大阪は令和の『大阪の陣』を迎えているのかもしれません。今までは『タクシーで稼ぐ=東京へ出ていく』という考え方が今後、大阪という選択肢も出来て二者択一のスタイルに構図が変わってくる可能性があります。
そうなると大阪のタクシー事業者は今後、タクシー運転手の採用条件として『寮付き』や『住居支援』を積極的に行う施策を出すとより求人内容としても魅力的なものが出来るのではないでしょうか。