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タクシーの深夜料金「割増」って何?タクシードライバー転職に役立つ情報②
皆さんは夜、タクシーに乗ると「ピピッ!」っていう機械音と共についつい運転席のドライバーが押した右隣のメーターに目が行った経験はないでしょうか?
タクシーには実を言うと通常料金に割増となる「深夜料金」なるものがあるのです。
今回は意外とタクシーの常識でスポットライトが当たりにくいこの「深夜料金」について解説しましょう。
「割増」とは?
「深夜料金」という言葉はタクシー業界ですと「割増」というだけで間違いなく通じます。
理由は単純明快で通常料金に深夜料金の2割増となることから言われており、これは深夜22時から翌5時までの7時間に渡る間、一部タクシー事業者を除いて全国共通で施行されています。
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この深夜料金(以下:割増)は後部ドア部に初乗り料金と共に記載されていますので、ほぼ間違いなくお客様は目にされます。
タクシードライバーの営業は「ゴールデンタイム」
この割増が適用される深夜22時から翌5時までの7時間はタクシードライバーにとってはまさに稼ぎ時…ゴールデンタイムと言っても過言ではありません。
しかしここで理解しておきたいのは、いきなり初乗り500円だったものが、600円スタートになるなんていうそんな虫の良い話ではないのです…。
タクシー料金全体が2割増しという訳ではなく、料金メーターの計算が2割短縮されるという意味なのです。
例えば日中時間帯で仮に『1km毎500円』というタクシー料金だとします。
その場合、深夜22時から翌5時までの割増時間帯に適用される計算は同じ500円で移動しても距離が800mと短縮され、走行距離が長くなればなるほど料金は日中の通常時間帯に比べて高額になるという訳です。
以降は255mまでを増すごとに『100円』の加算になります。
しかし深夜22時から翌5時までの7時間はメーターの距離計算が2割短縮するのでメーターの上がり方がまるで違います…!
そもそも深夜料金って?
実はこの深夜料金、タクシーに限った話ではないのです。
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例えば多くの業務では「深夜手当」というものは採用されており、通常の賃金よりも概ね2割(法律上は25%)上乗せした賃金を支払うことが義務付けられています。(残業・休日出勤は別途)
労働基準法では、深夜手当の対象となる時間帯も明確に規定されています。対象となるのは「22時~翌5時まで(※2)」です。この時間帯(7時間)に労働に対し、深夜手当の支払いが発生します。
タクシー以外にもある「深夜料金」
ファミリーレストランなどでもレシートを見ると「深夜料金」を請求された経験、ありませんか?
一般的にファミリーレストランは深夜料金が上記の時間帯は加算されるのが常です。
ただし、ここで「?」と疑問に思った方はなかなか鋭い視点をお持ちだと思います…!
人件費の工夫や価格競争でやむを得ないケースも
ファミリーレストランのようなサービス業でも深夜料金がないケースもあるのでは…?
「あの店たちはどうなのよ?」と疑問に思った方は相当な通と察します。
そう、庶民の腹を満たしてくれるあの愛おしい飯『牛丼屋』です♪
牛丼屋で深夜料金を請求されたケースは、ほとんどないのではないでしょうか?
実はコンビニでもそうなのですが、比較的ワンオペで回せるサービス業に関しては必要最低限の工夫で運営を行っている点と特に牛丼屋に関しては価格競争に思わぬ穴を空けないため、値段に深夜料金を加算しないケースが多いのです。
これは深夜まで営業しているラーメン屋や立ち食いそば屋でも同様です。
とくにこの部分は人件費等が関わってくる手前、お客様が利用される『サービス料』としてご負担を頂くことをご理解頂きたいという事なのです。
あ~…お腹すいたァ~!
ライバルが多いのも事実
割増時間帯のタクシードライバーは、どんな営業方法を成すのでしょうか。
目的は各々ドライバーあると思いますが、特に多いのは「終電を逃したお客様に乗車して頂く」ために「繁華街」や「ターミナル駅」へと繰り出すケースです。
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そのため主要繁華街周辺は正直なところタクシーだらけになりますし、主要駅周辺はタクシーが列を成します。
中央区・千代田区・港区はタクシー以外の車両が見当たないほど…。
間違いなく新人ドライバーさんが最初ぶち当たるのが「こんなタクシーがいっぱいいる中でどうやって営業するんだ!?」と気が滅入ってしまう点でしょう。都内のタクシードライバーはライバルが多いのも事実です。
しかし、それでも都内ではしっかりとコンスタントに営収を得ているタクシードライバーがいるのも事実。
迷わず行けよ、行けばわかるさ…そんな時はアプリだけに頼らずどっかの偉大なプロレスラーが遺した言葉のように走ってみることも大事です。
これからタクシードライバーへ転職を考えている皆さん、転職を本気で考えている皆さん、転職道.comの転職相談で何かあればご相談ください。
(冷やかしやスパイ行為はご勘弁ください笑)
賃走途中で22時を過ぎたら…?
お客様をお乗せしたのが深夜21時59分、その間途中で22時を過ぎた場合はどうなるのでしょうか?
実は自動的に「割増」に切り替わります。
その際「ピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピ!」と言う甲高い機械音が車内に響き渡るため、状況によってはお客様は驚かれることがあります…と言いますかほぼ驚かれると思います。
その際はお客様へ懇切丁寧に「ただいまより深夜割増料金に切り替わりましたので恐れ入りますがご理解賜りますよう宜しくお願いいたします」とお伝えください。
個人的にはこの機械音は結構うるさいので少し改善してほしいとは思います…。ただもしかしたらメーター機器によって音などに違いはあるかもしれません。。
どれくらい稼げる?
これは経験則上ですが、例えば8:00〜翌3:00の隔日勤務であれば売上の約4割は割増時間帯で稼ぐことが平均的に出来るようです。
普段運転していても、ご自身の稼ぎにも大きく関係してくる手前、ふとメーターは気にしますし、やはり深夜帯となれば多くのお客様が家路に着くため、長距離(ロング)が目立つのも特徴です。
また、友達同士の相乗りも多く、先に友人Aが「●●町」で降りて、次に友人BとCが「●●公園」で降りて、最後に友人Dが東京都を超えて隣県に行き「●●駅前」で降りる…と言ったケースも珍しくありません。
そうなると単価は下手すれば1万円前後(業界用語でマンシュウ)に近づきます。
そりゃ皆さん必死になりますよね…。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
タクシー利用目線の「割増記事」は多いかもしれませんが、タクシードライバー転職目線での記事としては珍しい内容だったかもしれません。これらはノンフィクションですし、なかなか夢があると思います。
ただくれぐれも転職して乗務開始後は浮かれて事故など起こさないよう、安全運転を遵守しましょう。
ついつい長距離(ロング)が出るとタクシードライバーは喜んでしまい、特に帰りの空車・回送時に事故を起こしやすいと言われています。
決して脅しではないですが、もちろん安全を肝に銘じていれば大丈夫なのですが、割増…ゴールデンタイムです。うまく使ってクールに稼ぎましょう。