タクシー会社に入社すると、たくさんの研修をします。
真っ先に思い浮かぶのは「運転技術」。なにせ自動車を駆使した営業ですから、車の運転なくしてタクシードライバーの仕事は務まりませんよね。
タクシー会社各社でも二種免許の取得以外に、路上研修など様々な対策を行っているのですが、今回東京最大手の国際自動車にものすごいトレーニングコースがあるということで…居ても立っても居られず取材しに行ってまいりました。
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タクシー大手国際自動車「km南砂トレーニングコース」へ行ってきた
都内某所…という訳でもないのですが、江東区南砂にある「kmホスピタリティカレッジ南砂TRコース」に訪れました!
実は当日、あいにくの雨模様で、傘を差さないとどうにもならないくらいの本降りでした。
(※そのため、冒頭のお写真は別日に撮影したものを利用させて頂きます。)
ではでは「kmホスピタリティカレッジ南砂TRコース」の魅力、そして何のための施設なのかを徹底解剖していきます!
日本初の専用トレーニングコース
「kmホスピタリティカレッジ南砂TRコース」は『日本初』タクシー専用のトレーニングコースとして2022年11月30日に開設しました。
一般の乗用車と違い、タクシー専門にコースが作られていますので、道幅が狭くイレギュラーなポイントが多いのが特徴です。
教習所同様に立体障害物のポールが設置されているのですが、各所に張り巡らされていることもあって、かなり閉塞感を感じます。
それもそのはず…「kmホスピタリティカレッジ南砂TRコース」は一般的な教習コースと比べ、50cm狭いエリアを設けていたり、鋭角なコーナー等があることから通常の一般運転よりも難易度が非常に高く設定されております。
そのため、研修中のタクシードライバーの皆さんは自ずと高度なスキルを養成することが可能となっております。
新人教育に恰好の施設
それにしても、我々が初めてトレーニングコースを目の当たりにした印象は「狭い!」でした…。
「こんな場所で車がトレーニングできるの?」というような話になったのをよく覚えています。
しかし、それこそが“都内の路地裏などでしばしば乗客を乗せるタクシードライバー”にとっては貴重な練習にもなりましょう。
ましてや袋小路の場所なんて東京の下町にたくさんありますよね。
住宅街に限らず、細道や一方通行といった難所が都内にはわんさかあります。
幹線道路を熟知しただけでは地理をマスターしたとは到底言えない理由が、ここにはあるような気がしました…。
実践的に乗務開始となった際に、このトレーニングコースを経験しているとしていないとでは雲泥の差が出るのではないだろうかとすら思った次第です。
トレーニング開始前には、指導員から念入りなチェックがあります。
ここでは新人ドライバーさんも熱心に耳を傾けていました。
『狭路の曲がり方』や『縦列駐車のイロハ』など、どれ一つとっても無駄ではない先輩からのアドバイスが、雨音にかき消されることなく響き渡っていました。
それにしてもこんなところをタクシーが走るなんて想像がつきません…。
コースは実践的な難所が続く
なんて言っているうちに早速教習がスタートしました。
本日は新卒見込みの社員さん、女性ドライバー、男性ドライバーの3名が教習です!
縦列駐車からスタート!慣れないタクシー車両だけでなく「雨天」という悪条件が重なり、視界の決して良くはない状況でした。
しかし皆さん一生懸命にこなしており、指導員からも「良くできたねぇ!」と褒められていましたよ!
難関のバック駐車の様子です。
なかなか感覚が難しいため、皆さん慎重に時間をかけての作業となります。
実際のタクシー営業ではお客様もいらっしゃいますし、周囲が住宅街であれば緊張感はまた別のものになるでしょう。
今のうちに失敗してシミュレーションするのが大切なのですね。
コースが狭いだけにストレスとなる場面も多々あるものの、ドライバーの皆さんもここは慎重にアジャストしていきます。
取材陣も教習を見学させていただき、凄い便利なんだな…と感心したのが、国際自動車オリジナルのフェンダーミラー『ミラクルミラー』です。
通常のJPN TAXIのフェンダーミラーと比べても大きくて後方も見やすいため、なんとこれまで自社タクシー専用であった『ミラクルミラー』を国際自動車では2023年6月に子会社の「kmGオートアシスト」より一般タクシー向けに販売するとのことです。
「擦り事故の撲滅」「kmパートナーズ全体のブランドの向上」「ミラクルミラーのより効果的な利用方法の習得」「JPN TAXIやワンボックス車両の運転技術向上」を目指します。
指導員が随所に説明
事故の起きやすい、気を付けなければならない場所は業界の大先輩である指導員が実際に身振り手振りでレクチャーしてくれます。
普段は優しくても、運転時のヒヤリハットや事故対策については防止の観点から厳しく説明をします。
ーお客様をお乗せして快適に目的地までお届けするーしかもお金を頂いている…それがタクシーですので、安全面を遵守するのは当然なのですね。
これからの東京タクシーを背負う人材
最後に本日の教習を終えた皆様と一枚。
お疲れのところにも関わらず、指導員さんはじめ皆さま快く対応してくださいました。
なんとも凛々しい表情をしているではありませんか!
皆さんはこれからの東京のタクシーを背負う大切な人材です。
これから先も国際自動車のタクシードライバーとして今後も東京都内を羽ばたいていくことでしょう。
「雨降って地固まる」と昔の人はよく言ったもので、ここで経験した糧は乗務員デビュー後に大いに役立つに違いありません。
国際自動車ではこのように、入社後はしっかりとしたカリキュラムが組まれており、他社のタクシー会社にはない独自のシステムで明日を担うタクシードライバーを育てています。
取材を終えて
生憎の雨もあり、取材陣一同も写真の「撮れ高」としては至らなかった部分もあったかもしれませんが、これもまた生々しさが伝わってよかったのではないかと今では思います。
ましてタクシードライバーの卵たちはこれから早かれ遅かれこの悪天候は必ず経験しますので、乗務開始の前にこうしたシーンに出くわすのはラッキーであったのかもしれませんよね。
創立から103周年を迎えた国際自動車ではホスピタリティカレッジでの接遇をの研修だけでなく、このように自社独自のトレーニングコースを駆使して優良なタクシードライバーを育成しています。
レジャーやビジネスなど、様々な面を持つ東京において欠かせない『ホスピタリティ精神』をお届けする真のドライバーが、ここで技術を錬磨していくんだと感じた次第です。