タクシーを呼ぶ…この行為には様々な方法があります。
地域や混雑状況、あるいはシーズンによってその呼び方は異なりますし、年代によっても変わるのではないでしょうか。
そんな中この2~3年で大きく変貌を遂げた「タクシーを呼ぶ」スタイルがあります。
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タクシー配車アプリとは
タクシー配車アプリという言葉を近頃よく耳にしませんか?
スマートフォンが国民に根付いてから概ね10年以上経ち、アプリケーション機能というものの役割も多岐に渡り様々なニーズに対応するようになりました。
ゲームやニュース配信、天気予報やクーポン、さらにネットショッピングや金融関係など…。今ではキャッシュレスにも対応しており、もはや財布いらずの状況ですよね。
タクシーとアプリ…まさにこのベクトルがマッチした時、「配車機能を手のひらで成せる」という奇跡が生まれました。それがタクシー配車アプリです。
今から10年以上前の2011年1月に誕生した「全国タクシー配車(「GO」の前身)」がそのパイオニアで、今では大手タクシー配車アプリ「GO」、「S.RIDE」など10社以上が軒を連ねております。
タクシー配車アプリのメリット・デメリット
タクシー配車アプリは国民のタクシー乗車に対する常識を変えた画期的な機能といっても過言ではありません。それ故のメリット・デメリットも存在します。
いざダウンロードして利用する際に知っておいて損はない情報をまとめてみました。
メリット
タクシー配車アプリのメリットは、やはり利便性の良さに他なりません。
それまでタクシーを呼ぶ際、「電話注文」や「空車の車両を手を上げて停めていた」ものが配車アプリを通じて呼べるようになり大変便利になりました。
さらにタクシー車両がお客様のお迎え場所に向かう際も、配車アプリ内で現在何処を走行しているかがGPSを通じてリアルタイムでわかるようになっており、お客様はそれに合わせて身支度をすることが出来ます。配車確定後は「●●分後に到着」という目安も表示され、万一の際は乗務員とメッセージでやり取りが可能です。(お迎えにあがるタクシー会社名や乗務員名、ナンバープレートなども公開しております。)
メリットはまだまだあります。
大手のタクシー配車アプリなどではキャッシュレスやクレジットカードを対象に事前決済が可能で、登録すれば車内で決済することなく目的地に到着したらそのまま降りれます。急いでいる方には非常に便利な機能ですよね。
お客様自身で普段から懇意にしているタクシー会社がご登録の配車アプリと提携している場合は、お気に入り登録をすればその会社を選択することも可能です。
デメリット
このように非常に画期的で利便性に富んだタクシー配車アプリですが、デメリットもあります。
まず、通常の電話注文などと同じく「予約配車」のため、通常運賃に加えて迎車料金が発生します(東京特別区・武蔵野市・三鷹市で300円~420円が相場)。
こればかりは注文配車ですので仕方がありません。しかし天候関係なくドアツードアで目的地まで行けること、電話などでの面倒なやりとりが苦手な方は、この配車アプリ機能は“渡りに船”のサービスと言えましょう。
次に、タクシー到着までの間は必ずしも一定ではないという事です。
到着時間まで3分~5分の場合もあれば、混雑状況の兼ね合いで15分ということもあります。
それに加えて到着までに利用する道路も状況によって変更しますので、お客様によっては「遠回りしてきたんじゃないのか?」と思いがちになりますが、懇切丁寧に指定の場所までお迎えに上がっているのでどうかご容赦いただきたいところです。
また、タクシーアプリの基本ルールとして「駅前タクシー乗り場」付近のエリアでは、タクシー配車アプリを利用しての注文ができません。
これは駅前タクシー乗り場に停車しているタクシーを最優先で利用してほしいという事に他なりません。既に乗り場に並んでいる方もいらっしゃる手前、整合性を取るためでもあります。
タクシー配車アプリの使い方
タクシー配車アプリの使い方は至って簡単です。
スマートフォンでアプリをダウンロードし、お客様情報や位置情報の許可を登録したら、現在地が表示されますので、現在地のカーソルを合わせて、行先を指定(入力)しましょう。
今すぐ呼ぶ場合はそのまま配車の「今すぐ呼ぶ」ボタンを押せば、配車注文画面になり、そのまま手配が完了となります。
先述の通り、所要時間は早ければ3分以内ですが、混雑状況によっては10分以上を要す場合もありますので予め注意が必要です。
尚、その場合は配車アプリによっては便利な「事前予約機能」もありますので是非活用してみてはいかがでしょうか。
おすすめタクシー配車アプリ一覧
ここでは全国で利用されているおすすめのタクシー配車アプリをご紹介します。
大手のメジャーどころから、地域密着型まで…実はタクシーアプリというのは数多く存在しているのです。
GO
タクシー配車アプリ戦国時代の中で頭一つぬけた存在となっているのが、この「GO」です。
運営会社は東京大手四社『日本交通』の子会社であるモビリティテクノロジーズ社(MoT)が手掛けておりましたが、「GO」の知名度の高さからこのほど2023年4月1日より『株式会社GO』へ社名を一新することとなりました。
「GO」は近年のCM効果もありタクシー配車アプリのメジャー化に成功。
もともとは2011年に「全国タクシー配車」という名前のタクシー配車アプリとしてリリースし、およそ2年で当時としては異例の90万ダウンロードを達成。
しかしながら全国にエリアを拡大するも市民権を得るまでには至っておらず、その後「JapanTaxi」に名称を変更。2020年にDeNA社が運営し神奈川県内を中心に勢力を伸ばしていたタクシー配車アプリ「MOV(旧タクベル)」と合併し、現在の「GO」が誕生しました。
コロナ禍でタクシー利用が一時低迷している首都圏において配車注文と決済がアプリで完結できるという利便性の高さをテレビCMで放映されたのをきっかけに爆発的ヒットとなり、今や1,000万ダウンロード数を突破しております。
タクシー配車アプリの中でも非常に利便性・人気ともに高く、タクシー事業者の契約者数も多いのが特徴です。
S.RIDE
「GO」と双璧を成す配車アプリとして、今注目を集めている配車アプリがこの「S.RIDE」です。
アプリ起動から配車注文確定→タクシー車両到着までが早いことが特徴で、やはり時間を大切にするビジネスマンに支持されるアプリとして、東京都内では局地的ダウンロード数の多い人気の配車アプリです。
その証拠に2022年は4カ月連続で月間最高配車件数を記録し、年末においては前年同月比の約2.3倍という過去最高の自社配車件数を達成しました。
月額課金制の「優先配車機能」を利用すれば繁忙期や混雑時の配車注文が困難な際も、より確実にタクシーの配車が可能となるサービスや「予約配車使い放題(東京特別区/武三交通圏のみ)」などのサービスも充実しております。
提携のタクシー会社は際自動車を筆頭に大和自動車交通・グリーンキャブ・チェッカーキャブ(現:東京無線)など東京のタクシー会社大手が軒を連ねております。
フルクル
スマホを振るだけで近くのタクシーが集まる…そんなユニークな“世界初”のタクシーアプリ機能が日本にはあります。それがこの「フルクル」です。
フルクルは東京タクシー大手四社の国際自動車が手掛けるタクシーアプリです。
実はこのアプリ、正確に言いますと「配車アプリ」ではなく「配車マッチングアプリ」なのです。
フルクルは「ユーザー登録不要」「迎車料金不要」です。この部分は配車アプリと違い、非常に利便性が良く優れているのですが、あくまでも「配車/乗車を確約するものではない」というのがフルクルの最大の特徴です。
フルクルは周辺500mを空車で走行中の国際自動車のタクシーとお客様のマッチングを行います。
この時点で配車センターや配車アプリを介していないので、「迎車料金不要」という訳です。
もちろん、マッチングが成立すればお客様は晴れて乗車できるのですが、「配車/乗車が確約されない」という理由はタクシーがマッチング後に周辺500m以内で別のお客様を乗せる場合もあるからです。(※路地裏や繁華街から離れた場所でフルクルを利用するのがおすすめとのことです。)
Uber Taxi
Uber TaxiはCMでもおなじみ「ウーバーイーツ」の事業者「Uber」が手掛けるタクシー専用配車アプリです。(※ここではライドシェアではなくタクシー配車アプリとして説明します。)
Uber Taxiはアメリカ最大級の配車サービス事業で全世界32か国でユーザーを拡大している「配車サービスのリーディングカンパニー」です。
世界ではタクシーのみならず、ライドシェアのアプリとしてのイメージが強いのですが、日本国内ではライドシェア反対の声や規制の問題もあることから、Uberの配車サービスはタクシー会社の配車アプリに限ってのサービスという形になっております。
Uber Taxiの特徴として、外国人観光客へのニーズが高いことが挙げられます。インバウンド需要復活でUberの利用が多く、多くが観光地や空港、滞在先のホテルまでの配車となっております。
Uberでは『多言語対応機能(50ヵ国以上)』・『割り勘機能』・『リアルタイムトラッキング(GPS)』などの多種多彩な機能を兼ねそろえていることから、気兼ねなく訪日外国人の方も利用する傾向がみられます。
Uber Taxiの国内エリアはまだそれほど多くはありませんが、観光地や米軍基地がある地域にサービスを展開している傾向があるようです。
DiDi
Uber Taxi同様に外資系配車アプリとして名を轟かせているのがこの「DiDi」です。
タクシー配車アプリ「DiDi」は、中国の大手ライドシェア「滴滴出行」が運営するタクシー配車アプリサービスで、なんと世界1000都市以上で5.5億人のお客様が利用する配車アプリです。
日本国内では2018年に関西エリアでサービスを開始したこともあり、大阪など近畿方面ではDiDiのユーザーが非常に多いのが特徴です。
また、2022年9月には日本国内でも500万ダウンロードを達成するほどの人気ぶりで、配車注文から平均到着時間が5分というのも強みです。
タクシー東京無線
「タクシー東京無線」は、東京無線協同組合に所属するタクシーがお客様のご指定場所に概ね10分程度で送迎可能なタクシーを検索し、到着することが可能なタクシー配車アプリです。
特徴として、冠婚葬祭や空港送迎、報道関連の業務などで一度に多くの台数を配車しなくてはならない場合、一度に最大5台まで同時に呼ぶことが可能となっております。
しかも通常他社の配車アプリではオプション料金が発生するような「タクシー車種指定」も可能なことから、隠れたおトクなアプリと言えましょう。
また、タクシー配車アプリにしては珍しく「事前登録」や「初期設定」が不要なのも嬉しい限りです。
ココきてTAXI
ココきてTAXIは、東京タクシー大手四社の「帝都自動車」が自社でリリースしているタクシー配車アプリです。
タクシー配車注文時に指定内容を細かく指示することができ、過去の注文履歴を閲覧することも可能ですので、毎回の配車時は大変便利なアプリです。
また、帝都自動車に限らず、グループのタクシー会社を選択することできます。
「私鉄共同無線センター」「小田急交通」「京急交通」など、地域のタクシーを呼び出すこともできるため、スマートフォンには常に入れておきたいタクシー配車アプリの一つと言えるでしょう。
大和自動車交通タクシー配車
大和自動車交通タクシー配車は、東京大手四社の大和自動車交通が手掛けるタクシー配車アプリです。
しかし大和自動車交通に限らず、北海道と名古屋でも利用が可能なのが特徴です。
北海道は札幌市・北広島市・苫小牧市で利用可能となっており、いずれも道内の「SKタクシー」で利用可能。愛知県内では名古屋市の大手「名鉄タクシー」で利用可能です。
また、大和自動車交通タクシー配車は海外でも利用可能で、台湾のタクシー会社「台湾大車隊」でも現地からアプリ配車が出来るため、旅行時に本アプリは大変重宝します。
大和自動車交通タクシー配車も1度で5台までの注文が可能なので、冠婚葬祭などにも大いに活用できます。
MKスマホ配車アプリ
関西最大手のMK(エムケイ)タクシーは自社で展開する配車アプリ「MKタクシースマホ配車」をリリースしています。
現在の対応エリアは東京を除くMKタクシーの営業エリアすべてとなっており(札幌、名古屋、京都、滋賀、神戸、福岡)、クオリティの高い接遇が特徴のMKのタクシーを配車したい際にはこのアプリは非常に重宝します。
また、「MKタクシースマホ配車」は迎車料金無料で、運賃が5,000円超過した場合は5割引きという破格の特徴があります。
TAXI.come
地方都市限定のアプリになりますが、岡山県内大手タクシー会社「両備グループ」が自社タクシーアプリ『TAXI.come(タクシードットカム)』を2022年11月にリリースしました。
「TAXI.come」は両備グループの管轄である岡山市と倉敷市が手掛ける共同配車との連携を行っており、「岡山市(北区建部町、東区瀬戸町を除く)」、「都窪郡早島町」、「倉敷市」、「津山市」が配車エリアとなっております。今後県内でも配車エリアの拡大が予想されます。
地域密着型の配車アプリというのが何よりの特徴で、県内の高齢化による交通弱者の増加が進んでいる点や、インフラの撤退等が進むなかでの課題に直面した結果、大手タクシー配車アプリの活用ではなく、両備グループでは自社の配車アプリに舵を切る形になりました。
まとめ
いかがでしたでしょうか。タクシー配車アプリも実は国内に沢山あり、「どれを選んだらよいかわからない」という状況になるかもしれません。
国内では最大手「GO」を筆頭に「S.RIDE」、そして外資系の「Uber Taxi」と「DiDi」。自社展開の配車アプリと続きます。さらには国際自動車が展開するタクシーマッチングアプリなど、ユニークなものも存在します。
ですが、いずれの自社アプリを展開しているタクシー会社でも、大手の配車アプリと提携している事が多く、ユーザーは使いやすい配車アプリを選択することによって、タクシーを一層利用しやすい公共交通機関として認知できるのではないでしょうか。
東京都内でも今や流し営業よりもアプリ注文の割合が多くなっているほど、タクシー配車アプリの需要は日々増加の一途をたどっています。手のひらでサクッとタクシーが呼べる便利な時代、是非お気に入りの配車アプリを見つけて活用してみましょう。